1「アジャッジド」──審判員が、その判断に基づいて下す裁定である。
ジャッジの意味。ヒズアウト!セーフ!など。
2「アピール」──守備側チームが、攻撃側チームの規則に反した行為を指摘して、審判員に対してアウトを主張し、その承認を求める行為である。
タッチアップ時の離塁のタイミング、走者の触塁の有無、など。審判員が気づいていても何も起きず、守備側のアピールによってはじめて判定が行われる。
3「ボーク」──塁上に走者がいるときの、投手の反則行為である。その場合には、全走者に各1個の進塁を許す。(6.02a)
投手の動作については細かく禁止事項が決められていて、そのいずれかに該当する動きをするとボークとなる。投球動作を途中で止める、セットポジションで一定時間静止していない、など。
4「ボール」──ストライクゾーンを通過しなかった投球、または地面に触れた投球で、いずれも打者が打たなかったものである。
投球が地面に触れた後、ストライクゾーンを通過しても、ボールである。
ストライクゾーンを通過しない(ボールの一部分も)投球はボール判定となる。ストライクの項目でも触れられているが、ストライクゾーンをインフライト状態(地面についていない)の投球が通過した時とある。ストライクゾーンを通過してから地面に触れた→ストライク。ストライクゾーンの前で地面に触れてワンバンした後ストライクゾーンを通過した→ボール。
5「ベース」(塁)──走者が得点するために、触れなければならない四つの地点の一つである。通常その地点を表示するために、キャンバスバッグとゴムの平板が用いられる。
ご存知のとおり、五角形のホームベースと、一〜三塁は正方形のベースを使う。
6「ベースコーチ」── 一塁、または、三塁のコーチスボックス内に位置して、打者または走者を指図する、ユニフォームを着用したチームの一員をいう。(5.03)
ランナーコーチ、略してランコーとも呼ばれる。走者にゴーorストップを伝えるなど直接とくてんあに絡むような判断を瞬時に行わなければならないため、地味に思われがちだが、非常に重要な役割を持つ。
7「ベースオンボールズ」(四球)──打者が打撃中にボール4個を得るか、守備側チームの監督が打者を故意四球とする意思を審判員に示し、一塁に進むことが許される裁定である。守備側チームの監督が審判員に故意四球の意思を伝えた場合(この場合はボールデッドである)、打者には、ボール4個を得たときと同じように、一塁が与えられる。(5.05b1)
フォアボールのこと。打者が4つのボールを得た場合の四球はインプレーで試合は進行し続けますが、申告敬遠(故意敬遠)の場合にはその時点で一度ボールデッドになることもポイント。
8「バッター」(打者)──バッターボックスに入って攻撃するプレーヤーである。
バッター。これはそのまま。。
9「バッターランナー」(打者走者)──打撃を終わった打者がアウトになるまでか、または走者となったことに対するプレイが終了するまでの間を指す術語である。
バッティングが終わって打者から走者に変わった選手を指す。一塁に走りはじめてアウトになるなど一連のプレイがひと段落するまでを指す。
10「バッタースボックス」──打者が打撃に際して立つべき場所である。
ちわゆるバッターボックス。これもそのまま。
11「バッテリー」──投手と捕手とをあわせて呼ぶときに用いる。
12 BENCH or DUGOUT「ベンチ」または「ダッグアウト」──ユニフォームを着たプレーヤー、控えのプレーヤー、その他チームのメンバーが実際に競技にだずさわっていないときに、入っていなければならない施設である。(2.05、5.10k、6.04e)
13 BUNT「バント」──バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。
14 CALLED GAME「コールドゲーム」──どのような理由にせよ、球審が打ち切りを命じた試合である。(7.01)
15 CATCH「キャッチ」(捕球)──野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は、捕球とはならない。
また、ボールに触れると同時に、あるいはその直後に、他のプレーヤーや壁と衝突したり、倒れた結果、落球した場合は〝捕球〟ではない。
野手が飛球に触れ、そのボールが攻撃側チームのメンバーまたは審判員に当たった後に、いずれの野手がこれを捕らえても〝捕球〟とはならない。
野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は〝捕球〟と判断される。
要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも〝捕球〟と判定される。(5.09a1)
【原注】 野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球となる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあってもさしつかえない。
走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない。
野手はフェンス、手すり、ロープなど、グラウンドと観客席との境界線を越えた上空へ、身体を伸ばして飛球を捕らえることは許される。また野手は、手すりの頂上やファウルグラウンドに置いてあるキャンバスの上に飛び乗って飛球を捕らえることも許される。しかし、野手が、フェンス、手すり、ロープなどを超えた上空やスタンドへ、身体を伸ばして飛球を捕らえようとすることは、危険を承知で行うプレイだから、たとえ観客にその捕球を妨げられても、観客の妨害行為に対してはなんら規則上の効力は発生しない。
ダッグアウトの縁で飛球を捕らえようとする野手が、中へ落ち込まないように、中にいるプレーヤー(いずれのチームかを問わない)によって身体を支えられながら捕球した場合、正規の捕球となる。
【注】 捕手が、身につけているマスク、プロテクターなどに触れてからはね返ったフライボールを地面に取り落とさずに捕らえれば、正規の〝捕球〟となる(ファウルチップについては定義34参照)。ただし、手またはミット以外のもの、たとえばプロテクターあるいはマスクを用いて捕らえたものは、正規の捕球とはならない。
16 CATCHER「キャッチャー」(捕手)──本塁の後方に位置する野手である。
17 CATCHER'S BOX「キャッチャースボックス」──投手が投球するまで、捕手が位置すべき場所である。
18 CLUB「クラブ」──プレイングフィールドとこれに付属する施設を用意してチームを形成し、かつリーグに所属するチームであると表明することに責任が持てる人、または人々の団体である。
19 COACH「コーチ」──コーチはチームのユニフォームを着用した一員であってベースコーチを務めるだけでなく、監督の指示する任務を果たすために、監督によって選ばれた人である。
20 DEAD BALL「デッドボール」──規則によって、プレイが一時停止されたために、 プレイからはずされたボールをいう。(5.06c)
21 DEFENSE or DEFENSIVE「ディフェンスまたはディフェンシィブ」(守備側)──競技場内における守備側チームまたはそのプレーヤーをいう。
22 DOUBLE-HEADER「ダブルヘッダー」──相次いで行なう2試合をいい、この2試合はあらかじめ日程に組まれた場合もあり、日程を修正して組み入れられる場合もある。(4.08)
23 DOUBLE PLAY「ダブルプレイ」(併殺)──守備側プレーヤーが連続した動作で、2人の攻撃側プレーヤーをプットアウトにするプレイであるが、この二つのプットアウトの間に失策が介在したものはダブプレイとみなされない。(9.11)
(a) フォースダブルプレイは、フォースアウトの連続によるダブルプレイである。
(b) リバースフォースダブルプレイは、その第1アウトがフォースプレイで行なわれ、第2アウトがフォースアウトされるはずの走者に対して行なわれたダブルプレイである。
例-1アウト走者一塁、打者が一塁手にゴロを打ち、打球をつかんだ一塁手が一塁に触れ(2アウト)、続いて二塁手または遊撃手に送球して走者をアウト(タッグプレイ)にした場合。
例-0アウト満塁、打者が三塁手にゴロを打ち、打球をつかんだ三塁手が三塁に触れ(1アウト)、続いて捕手に送球して三塁走者をアウト(タッグプレイ)にした場合。
24 DUGOUT「ダッグアウト」──「ベンチ」の定義参照。
25 FAIR BALL「フェアボール」──打者が正規に打ったボールで、次に該当するものをいう。(巻頭図参照)
(a) 本塁一塁間、または本塁三塁間のフェア地域内に止まったもの。
(b) 一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ越えて行く場合に、フェア地域に触れながら通過するか、またはその上方空間を通過したもの。
(c) 一塁、二塁または三塁に触れたもの。
(d) 最初に落ちた地点が一塁二塁および二塁三塁を結ぶ線上であったか、あるいはその線を越えた外野の方のフェア地域内であったもの。
(e) フェア地域内またはその上方空間で、審判員またはプレーヤーの身体に触れたもの。
(f) インフライトの状態でプレイングフィールドを越えて行く場合に、フェア地域の上方空間を通過したもの。
フェア飛球は、ボールとファウルライン(ファウルボールを含む)との、相互の位置によって判定しなければならない。野手がボールに触れたときに、フェア地域にいたか、ファウル地域にいたかによって判定してはいけない。
【原注】 飛球が、最初一塁本塁間または三塁本塁間の内野に落ちても、一塁または三塁を通過する前に、プレーヤーまたは審判員に触れないで、ファウル地域へ転じ去った場合は、ファウルボールである。飛球がファウル地域で止まるか、ファウル地域でプレーヤーに触れた場合も、ファウルボールである。
飛球が一塁または三塁ベースに当たるか、あるいは、一塁または三塁を超えた外野のフェア地域に落ちれば、その後ファウル地域にバウンドして出た場合でも、フェアボールである。
審判員が、フェア、ファウルを正確に判定できるように、ファウルポールのフェンスより上に出ている部分に、フェア地域に向かって金網を張り出して取りつけることが望ましい。
【注】 打球が地面以外のもの、たとえば打者が捨てたバット、捕手がはずしたマスクなどに、フェア地域で触れたときは、ボールインプレイである。
【問】 打球が三塁についている走者に触れてから、フェア地域に反転した場合は、いかに判定すべきか。また、これがファウル地域に反転した場合はどうか。
【答】 ボールが走者と接触した位置によって、フェアかファウルかを判定すべきものであり、フェア地域で触れたときは、フェアボールとなる。したがって、走者はフェアの打球に触れたという理由でアウトになる。(5.09b7参照)
26 FAIR TERRITORY「フェアテリトリ」(フェア地域)──本塁から一塁、本塁から三塁を通って、それぞれ競技場のフェンスの下端まで引いた直線と、その各線に垂直な上方空間との内側の部分を指す。各ファウルラインは、フェア地域に含まれる。
27 FIELDER「フィールダー」(野手)──守備側のプレーヤーをいう。
28 FIELDER'S CHOICE「フィールダースチョイス」(野手選択)──フェアゴロを扱った野手が一塁で打者走者をアウトにする代わりに、先行走者をアウトにしようと他の塁へ送球する行為をいう。また、(a)安打した打者が、先行走者をアウトにしようとする野手の他の塁への送球を利して、1個またはそれ以上の塁を余分に奪った場合や、(b)ある走者が、盗塁や失策によらないで、他の走者をアウトにしようとする野手の他の塁への送球を利して進塁した場合や、(c)盗塁を企てた走者が守備側チームが無関心のためになんら守備行為を示さない間に進塁した場合などにも(9.07g)、これらの打者走者または走者の進塁を記録上の用語として野手選択による進塁という。
29 FLY BALL「フライボール」(飛球)──空中高く飛ぶ打球をいう。
30 FORCE PLAY「フォースプレイ」──打者が走者となったために、塁上の走者が、規則によって、その塁の占有権を失ったことが原因となって生じるプレイである。(5.09b6)
【注】 次の原注に述べられているフォースプレイによるアウト、すなわちフォースアウト(封殺)と得点との関係は、5.08に明示されている。
【原注】 フォースプレイを理解するために最も注意を要する点は、最初はフォースの状態 であっても、その後のプレイによっては、フォースの状態でなくなるということである。
例──1アウト満塁、打者一塁に強いゴロを放ったが、一塁手がこれを止めてただちに塁に触れ、打者をアウトにすれば、フォースの状態でなくなるから、二塁に向かって走っている走者は触球されなければアウトにはならない。したがって、一塁走者が二塁で触球アウトになる前に、二塁、三塁にいた走者が本塁を踏んだ場合には、この得点は認められる。しかし、これに反して、ゴロを止めた一塁手がただちに二塁に送球して一塁走者をフォースアウトにした後、さらに一塁への返球で打者もアウトにして3アウトとなった場合には、二塁、三塁の走者が本塁を踏んでいても得点とは認められない。
例──封殺でない場合。1アウト走者一・三塁のとき、打者は外野に飛球を打ってアウトになり、2アウトとなった。三塁に触れていた走者は、捕球を見て本塁を踏んだ。しかし一塁の走者は、捕球当時離塁していたので帰塁しようとしたが、外野手からの返球で一塁でアウトになり、3アウトとなった。この場合は、フォースアウトではないから、一塁走者のアウトより前に、三塁走者が本塁に触れたと審判員が認めれば、その得点は記録される。
31 FORFEITED GAME「フォーフィッテッドゲーム」(没収試合)──規則違反のために、球審が試合終了を宣告して、9対0で過失のないチームに勝ちを与える試合である。(7.03)
32 FOUL BALL「ファウルボール」──打者が正確に打ったボールで、次に該当するものをいう。(巻頭図参照)
(a) 本塁一塁間または本塁三塁間のファウル地域に止まったもの。
(b) 一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ超えて行く場合に、ファウル地域に触れながら通過するか、あるいはファウル地域上の空間を通過したもの。
(c) 一塁または三塁を超えたファウル地域内に、最初に落下したもの。
(d) ファウル地域内またはその上方空間で、審判員またはプレーヤーの身体、あるいは、地面以外のものに触れたもの。
ファウル飛球は、ボールとファウルライン(ファウルポールを含む)との、相互の位置によって判定しなければならない。 野手がボールに触れたときに、フェア地域にいたか、ファウル地域にいたかによって判定してはならない。
【原注】 野手に触れない打球が、投手板に当たり、リバウンドして本塁一塁間または本塁三塁間のファウル地域に出て止まった場合には、ファウルボールである。
【注1】 打者の所持するバットに、打球(バントを含む)がファウル地域で触れたときは(もちろん故意ではなく)、ファウルボールである。
また、打者が打ったり、バントしたボールが反転して、まだバッタースボックス内にいる打者の身体およびその所持するバットに触れたときも、打球がバットまたは身体と接触した位置に関係なく、ファウルボールである。
【注2】 打球が地面以外のもの、すなわちバックネットやフェンスはもちろん、打者が捨てたバット、捕手がはずしたマスク、地上に置いてある審判員のほうきなどに、ファウル地域でいったん触れれば、その後転じてフェア地域内に止まってもファウルボールである。
33 FOUL TERRITORY「ファウルテリトリ」(ファウル地域)──本塁から一塁、本塁から三塁を通って、競技場のフェンスの下端まで引いた直線と、その線に垂直な上方空間との外側の部分を指す。(各ファウルラインはファウル地域に含まれない)
34 FOUL TIP「ファウルチップ」──打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手に飛んで、正規に捕球されたもので、捕球されなかったものはファウルチップとはならない。ファウルチップはストライクであり、ボールインプレイである。(5.09a2)
35 GROUND BALL「グラウンドボール」──地面に転がるか、または地面に低くバウンドしていく打球をいう。
36 HOME TEAM「ホームチーム」──あるチームが自分の球場で試合を行う場合、相手チームに対して、そのチームを指して呼ぶ術語である。試合が中立の球場で行なわれる場合には、ホームチームは相互の協定によって指定される。
【注】 ホームチームの相手チームをビジティングチームまたはビジターと呼ぶ。
37 ILLEGAL or ILLEGALLY「イリーガルまたはイリガリー」──本規則に反することをいう。
38 ILLEGAL PITCH「イリーガルピッチ」(反則投球)──(1)投手が、投手板に触れないで投げた打者への投球、(2)クイックリターンピッチ、をいう。──走者が塁にいるときに反則投球をすれば、ボークとなる。
39 INFIELDER「インフィールダー」(内野手)──内野に守備位置をとる野手をいう。
40 INFIELD FLY「インフィールドフライ」──0アウトまたは1アウトで、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナーおよびバントを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう。この場合、投手、捕手および外野手が、内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う。
審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、走者が次の行動を容易にとれるように、ただちに〝インフィールドフライ〟を宣告しなければならない。また、打球がベースラインの近くに上がった場合には〝インフィールドフライ・イフ・フェア〟を宣告する。
インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、走者は離塁しても進塁してもよいが、その飛球が捕らえられれば、リタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には、普通のフライの場合と同様、アウトにされるおそれがある。
たとえ、審判員の宣告があっても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。
インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。また、この打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外側へ落ちても、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる。
【原注】 審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、たとえば、芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない。たとえ、飛球が外野手によって処理されても、それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すれば、インフィールドフライとすべきである。インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はどこにもない。審判員の判断がすべて優先し、その決定はただちに下されなければならない。
インフィールドフライが宣告されたとき、走者は危険を承知で進塁してもよい。インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球したときは、5.09(a)(12)の規定にもかかわらずボールインプレイである。インフィールドフライの規則が優先する。
インフィールドフライが宣告されたときに妨害が発生した場合、打球がフェアかファウルかが確定するまでボールインプレイの状態は続く。打球がフェアになれば、野手の守備を妨害した走者と、打者がアウトとなる。打球がファウルになれば、野手の守備を妨害した走者だけがアウトとなり、その打球が捕球されたとしても、打者は打ち直しとなる。
【注】 インフィールドフライは、審判員が宣告して、初めて効力を発する。
41 IN FLIGHT「インフライト」──打球、送球、投球が、地面かあるいは野手以外のものにまだ触れていない状態を指す。
42 IN JEOPARDY「インジェパーディ」──ボールインプレイのとき、攻撃側プレーヤーがアウトにされるおそれのある状態を示す術語である。
43 INNING「イニング」(回)──各チームが攻撃と守備とを交互に行なう、試合の一区分である。この間、各チームは守備の際、それぞれ3個のプットアウトを果たす。各チームは1イニングの半分ずつをその攻撃にあてる。
【注】 本規則では、ビジティングチーム(先攻チーム)の攻撃する間を表といい、ホームチーム(後攻チーム)の攻撃する間を裏という。
44 INTERFERENCE「インターフェアランス」(妨害)
(a) 攻撃側の妨害──攻撃側プレーヤーがプレイしようとしている野手を妨げたり、さえぎったり、はばんだり、混乱させる行為である。(6.01aペナルティ参照)
(b) 守備側の妨害──投球を打とうとする打球を妨げたり、じゃまをする野手の行為をいう。
(c) 審判員の妨害──(1)盗塁を阻止しようとしたり、塁上の走者をアウトにしようとする捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合、(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。
(d) 観衆の妨害──観衆が競技場内に入ったり、スタンドから乗り出したり、または競技場内に物を投げ込んで、インプレイのボールを守備しようとしている野手の邪魔をした場合に起こる。
45 LEAGUE「リーグ」──あらかじめ組まれたスケジュールによって、所属リーグの選手権試合を本規則に従って行なうチームを保有するクラブの集まりである。
46 LEAGUE PRESIDENT「リーグプレジデント」(リーグ会長)──リーグ会長は本規則の施行の責任者であり、本規則に違反したプレーヤー、コーチ、監督または審判員に制裁金または出場停止を科したり、規則に関連する論争を解決する。
【原注】 メジャーリーグでは、本規則のリーグ会長の職務はコミッショナーの指名した者によって遂行される。
【注】 我が国のプロ野球では、本規則のリーグ会長の職務はコミッショナーの指名した者によって遂行される。
47 LEGAL or LEGALLY「リーガルまたはリーガリー」──本規則に準拠したことをいう。
48 LIVE BALL「ライブボール」──インプレイのボールをいう。
49 LINE DRIVE「ラインドライブ」(ライナー)──打者のバットから鋭く、直線的に、地面に触れないで飛んだ打球である。
50 MANAGER「マネージャー」(監督)──プレイングフィールドにおける自己のチームの行動に責任を持ち、チームを代表して審判員ならびに相手チームと協議するように、クラブから指定された人である。プレーヤーが監督に指定されることも許される。(4.02)
51 OBSTRUCTION「オブストラクション」(走塁妨害)──野手がボールを持たないときか、あるいは ボールを処理する行為をしていないときに、走者の走塁を妨げる行為である。(6.01h1・2)
【原注】 ここにいう〝野手がボールを処理する行為をしている〟とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接野手に向かってきており、しかも十分近くにきていて、野手がこれを受け止めるにふさわしい位置をしめなければならなくなった状態をいう。これは一に審判員の判断に基づくものである。野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。たとえば、野手がゴロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、走者の走塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる。
52 OFFENSE「オフェンス」(攻撃側)──攻撃中のチーム、またはそのプレーヤーをいう。
53 OFFICIAL SCORER「オフィシャルスコアラー」(公式記録員)──9.00参照
54 ORDINARY EFFORT「オーディナリーエフォート」(普通の守備行為)──天候やグラウンドの状態を考慮に入れ、あるプレイに対して、各リーグの各守備位置で平均的技量を持つ野手の行なう守備行為をいう。
【原注】 この用語は、定義40のほか記録に関する規則でたびたび用いられる、個々の野手に対する客観的基準である。言い換えれば、ある野手が、その野手自身の最善のプレイを行なったとしても、そのリーグの同一守備位置の野手の平均的技量に照らして劣ったものであれば、記録員はその野手に失策を記録する。
55 OUT「アウト」──守備側チームが攻撃側となるために、相手チームを退けるのに必要な三つのプットアウトのうちの一つである。
56 OUTFIELDER「アウトフィールダー」(外野手)──競技場の内で、本塁から最も遠い、いわゆる外野に守備位置をとる野手である。
57 OVERSLIDE or OVERSLIDING「オーバースライドまたはオーバースライディング」──攻撃側プレーヤーが、滑り込みの余勢のために塁から離れて、アウトにされるおそれのある状態におかれる行為をいう。本塁から一塁に進む場合には、ただちに帰ることを条件として、滑り込みの余勢のために塁を離れることは許されている。
58 PENALTY「ペナルティ」──反則行為に対して適用される規則をいう。
59 PERSON of player or umpire「パースン・オブ・プレーヤー・オア・アンパイヤー」(プレーヤーまたは審判員の身体)──その身体、着衣および身につけているものをいう。
60 PITCH「ピッチ」(投球)──投手が打者に対して投げたボールをいう。
【原注】 あるプレーヤーから他のプレーヤーに送られるボールは、すべて送球である。
61 PITCHER「ピッチャー」(投手)──打者に投球するように指定された野手をいう。
62 Pitcher's PIVOT FOOT「ピッチャース・ピボットフット」(投手の軸足)──投手が投球の際、投手板に触れている足をいう。
63 〝PLAY〟「プレイ」──球審が試合を開始するとき、およびボールデッドの状態から競技を再開するときに用いる命令をいう。
64 QUICK RETURN Pitch「クイックリターンピッチ」──打者の虚をつくことを意図した投球をいう。これは反則投球である。
65 REGULATION GAME「レギュレーションゲーム」(正式試合)──7.01参照。
66 RETOUCH「リタッチ」──走者が、規則によって、帰塁しなければならない塁へ帰る行為をいう。
【注】 〝リタッチ〟には、飛球が捕らえられたときに離塁していた走者が、進塁の起点となった塁に帰塁する行為と、飛球が打たれたとき塁にタッチしていて、野手が捕球したのを見て次塁へスタートする行為の二つがある。(5.09b5、5.09c1参照)
67 RUN or SCORE「ランまたはスコア」(得点)──攻撃側のプレーヤーが打者から走者となって、一塁、二塁、三塁、本塁の順序で各塁に触れた場合に、与えられる得点をいう。(5.08)
68 RUN-DOWN「ランダウン」(挟撃)──塁間で走者をアウトにしようとする守備側の行為をいう。
69 RUNNER「ランナー」(走者)──塁に向かって進んだり、触れたり、戻ったりする攻撃側プレーヤーをいう。
70 〝SAFE〟「セーフ」──走者にその得ようとしていた塁を占有する権利を与える、審判員の宣告をいう。
71 SET POSITION「セットポジション」──二つの正規な投球姿勢のうちの一つである。
72 SQUEEZE PLAY「スクイズプレイ」──三塁に走者がいる場合、バントによって走者を得点させようとするチームプレイを指す術語である。
73 STRIKE「ストライク」──次のような、投手の正規な投球で、審判員によって〝ストライク〟と宣告されたものをいう。
(a) 打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに当たらなかったもの。
(b) 打者が打たなかった投球のうち、ボールの一部がストライクゾーンのどの部分でもインフライトの状態で通過したもの。
(c) 0ストライクまたは1ストライクのとき、打者がファウルしたもの。
(d) バントして、ファウルボールとなったもの。
【注】 普通のファウルは、2ストライクの後はストライクとして数えられないが、バントのファウルに限って、ボールカウントには関係なく常にストライクとして数えられるから、2ストライク後にバントしたものがファウルボールとなれば、打者は三振となる。ただし、バントがフライとして捕えられた場合は、フライアウトとなる。
(e) 打者が打った(バントした場合も含む)が、投球がバットには触れないで打者の身体または着衣に触れたもの。
(f) バウンドしない投球がストライクゾーンで打者に触れたもの。
(g) ファウルチップになったもの。
74 STRIKE ZONE「ストライクゾーン」──打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。
このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。
【注】 投球を待つ打者が、いつもと異なった打撃姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるためにかがんだりしても、 球審は、これを無視してその打者が投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する。
75 SUSPENDED GAME「サスペンデッドゲーム」(一時停止試合)──後日、その続きを行なうことにして、一時停止された試合をいう。(7.02)
76 TAG「タッグ」(触球)──野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実にボールを保持して、その手またはグラブを走者に触れる行為をいう。
しかし、塁または走者に触れると同時、あるいはその直後に、ボールを落とした場合は〝触球〟ではない。
野手が塁または走者に触れた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、〝触球〟と判定される。
要するに、野手が塁または走者に触れた後、ボールを確実につかんでいたことが明らかであれば、これを落とした場合でも〝触球〟と判定される。
本定義では、プレーヤーが身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具は、プレーヤーの身体の一部とはみなさない。
77 THROW「スロー」(送球)──ある目標に向かって、手および腕でボールを送る行為をいい、常に投手の打者への投球(ピッチ)と区別される。
78 TIE GAME「タイゲーム」──球審によって終了を命じられた正式試合で、両チームの得点が等しかったものをいう。
79 〝TIME〟「タイム」──正規にプレイを停止させるための審判員の宣告であり、その宣告によってボールデッドとなる。
80 TOUCH「タッチ」──プレーヤーまたは審判員の身体はもちろん、着用しているユニフォームあるいは用具(ただし、プレーヤーが身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具は除く)のどの部分に触れても〝プレーヤーまたは審判員に触れた〟ことになる。
81 TRIPLE PLAY「トリプルプレイ」(三重殺)──守備側プレーヤーが連続した動作で、3人の攻撃側プレーヤーをプットアウトにするプレイであるが、この三つのプットアウトの間に失策が介在したものは、トリプルプレイとはみなされない。
82 WILD PITCH「ワイルドピッチ」(暴投)──捕手が普通の守備行為で処理することができないほど高すぎるか、低すぎるか、横にそれるかした、投手の正規な投球をいう。
83 WIND-UP POSITION「ワインドアップポジション」──二つの正規な投球姿勢のうちの一つである。