野球のルールを学ぶシリーズ。。
今回は、投手の12秒ルールについて書いてみます。
投手がボールを投げるまでの制限時間は何秒?
まずはルールの説明から。
投手がボールを持ってから、捕手に向かって投球するまで”何秒以内で投げなければならない”というルールがあります。
12秒ルール
ルールブックには投手がボールを持ってから捕手に向かって投球するまでの時間制限について記載があります。
それは12秒。
塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。
出典:公認野球規則8.04 投球の遅延
規則のタイトルにもある通り、試合進行の遅延を防止するためのルールとなります。
”塁に走者がいないとき”とありますが、走者がいる場合には牽制球なども絡む関係で秒数制限を設けられないからだと思われます。
12秒経過してしまったら?
投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。
出典:公認野球規則8.04 投球の遅延
ということで、投球が始まっていなくとも、ボールが宣告されて仕切り直しとなります。
このルールが発動する条件
そして、その計測方法についてはこのような条件があります。
12秒の計測は、投手がボールを所持し、打者がバッタースボックスに入り、投手に面したときから始まり、ボールが投手の手から離れたときに終わる。
出典:公認野球規則8.04 投球の遅延
先ほども書きましたが、前提として走者がいないケースでのルールとなります。
そして秒数の計測がはじまるのは、以下の条件が整ったとき。
- 投手がボールを持つ
- 打者がバッターボックスに入る
- 打者が投手の方を向く
このように、投手がプレートを踏んで投球姿勢に入っているかは関係なく、上記の条件が整えば計測がはじまるということです。
15秒?20秒?
このルールについての話になると、その他にも15秒や20秒といったワードも出てきます。
しかし、野球規則にはこれらの記述はありません。
15秒については、日本のプロ野球で採用されているローカルルールです。
20秒は、”走者がいるとき”についてもこのルールを採用する場合の秒数で、大会や連盟によって採用しているところがあるようです。
関連PR:プロ野球選手になるために小学生のうちにやっておくべきバッティング練習明らかな遅延行為と判断されたら?
投手が普通の流れで投球しようとしても、8秒くらいはかかるといわれているので、12秒というのは意外に短い時間のようにも思います。
なので故意ではないのに、このルールが適用されてしまうケースがほとんどでしょう。
しかし、明らかに遅延行為とみなされるような行動だったらどうでしょうか。
まずは野球規則 投手の禁止事項に記載の「8.02c遅延行為」が適用されます。
審判員は一度警告を発し、しかもなおこのような遅延行為が繰り返されたときには、その投手を試合から除く。
出典:公認野球規則8.02c遅延行為
警告の後に改善が見られない場合には退場処分とのこと。
退場処分になって完全なる遅延行為とみなされた場合には、さらに野球規則 ボークの項目に記載の「8.05h投手が不必要に試合を遅延させた場合」が絡んできます。
そして合わせ技となり、退場&ボークとなるそうです。
最後に
と書いてきましたが、今現在はそれほど厳密には計測されてないみたいですね。
なんかこのルールが設けられた当初?は、審判員がストップウォッチを持ってしっかりと計測していたとのことです。
ただ...明らかな遅延行為ではなく、たまたま時間を超えてしまっただけなのに、このルールを適用して進行をストップする方が悪影響なんじゃないかと...。(苦笑)
そんな感じで、対応もゆるくなってきたのかもしれませんね。
でも、面白いから今度試合の時に、こっそりと計ってみようかな。。