正確な情報は、実物の公認野球規則「3.02 バット」を見てください!
3.02 バット
使用するバットについても、さまざまな決まりごとがあります。
材質と太さ、長さ
(a) バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61㌅(6.6㌢)以下、長さは42㌅(106.7㌢)以下であることが必要である。バットは1本の木材で作られるべきである。
太さ、長さについての上限は記載のとおり。
基本的な概念としてはバットは一本の木材を使用して(接合など無く)作られるべきとのこと。
ただ、皆さんもご存じのとおり、今の時代には一本の木から削り出された木製バット以外にも、さまざまな材質のバットがあります。
それぞれのバットについて、団体によって取り扱いが違うみたいなのでまとめてみます。
プロ | アマチュア | |
木製バット | 〇 | 〇 |
試作中のバット | コミッショナーの許可があるまで× | - |
接合バット(木、及び竹) | コミッショナーの許可があるまで× | 〇 |
金属バット | コミッショナーの許可があるまで× | 〇 |
公認野球規則には、付記、注1~3にて補足されています。
- 接合バットは、バット内部を加工したものは×
- アマ野球での金属バットは、直径67mm以下、重さは900g以上
- 金属バットの形状は先端からグリップまでなだらかな傾斜でなければならない
- 軟式野球ではこれらの規定は適用されない
ということで、いろいろ書いてありましたが、軟式野球では適用されないそうです。
バットヘッドのくり抜き
(b) カップバット(先端をえぐったバット)
バットの先端をえぐるときには、深さ1¼㌅(3.2㌢)以内、直径1㌅以上2㌅(5.1㌢)以内で、しかもそのくぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならない。なお、この際、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない。
木製バットでヘッドの先端をくり抜く加工があります。
(ミズノではダイナ加工という名前。)
そのくり抜き方についても野球規則にてしっかりと記載があります。
で、この先端をくり抜く意味ですが、その部分の木が無くなるわけですから、当然ながらバットの先端が軽くなります。
その分、重心もグリップ側に下がりますので、バットを振りやすくなるといわれています。
ただ、重心がヘッド寄りにあるからこそ、遠心力を使ってヘッドを走らせることができるわけで、重心が下がれば理屈としてはヘッドが走りづらくなります。
これはバッティング動作の一部の話なので、絶対的に重心はヘッド側にあった方がいい!というわけではないので、最終的には自分の好みによるところが大きいと思われます。
グリップ部分への細工
(C) バットの握りの部分(端から18㌅(45.7㌢))には、何らかの物質を付着したり、ザラザラにして握りやすくすることは許されるが、18㌅の制限を超えてまで細工したバットを試合に使用することは禁じられる。
なんか非常に範囲の広い書き方のように思いますが(笑)、要は18インチ(45.72cm)以内でしたらグリップに何らかの細工を施して握りやすくすることは認められているとのことです。
2011年の日本シリーズでの有名なシーン。
内川、落合から指摘されたグリップ問題から益々打つようになったよな。 pic.twitter.com/SJGsD9g2DB
— ゴテンクス (@hanaton_8710) June 19, 2016
内川選手のバットにはテーピングで滑り止めが施されていました。
それについて落合監督は、試合中に球審へ確認を求めたのです。
規約内の範囲での細工は当然ながら認められているので問題はないのですが、意表をついた抗議?に内川選手のテンションに何らかの影響があったのか、その後、なかなか打てずに苦戦してしまったんですよね。
バットへの着色
(d) プロフェッショナル野球では、規則委員会の許可がなければ、着色バットは使用できない。
ということで、元々はバットへの着色は認められていませんでした。
しかし、要望を跳ねのけられるような絶対的な理由があるわけでもなく(笑)、【注1】、【注2】に記載のとおり条件付きでの着色が認められています。
現在では木目がわかるような薄い塗装で、こげ茶、赤褐色、黒の3色がOKとなっているようです。