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9.12 失   策

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失策の記録は、本条規定により、攻撃側チームを利する行為をした野手に与えられる。
(a) 次の場合には、当該野手に失策を記録する。
(1) 打者の打撃の時間を延ばしたり、アウトになるはずの走者(打者走者を含む)を生かしたり、走者に1個以上の進塁を許すようなミスプレイ(たとえばファンブル、落球、悪送球)をした野手に、失策を記録する。
ただし、0アウトまたは1アウトのとき、三塁走者がファウル飛球の捕球を利して得点するのを防ごうとの意図で、野手がそのファウル飛球を捕らえなかったと記録員が判断した場合には、その野手には失策を記録しない。
【原注1】 はっきりとしたミスプレイをともなわない緩慢な守備動作は、失策とは記録しない。たとえば、野手がゴロをきちんと処理したものの、一塁への送球でアウトにできなかった場合、その野手には失策を記録しない。
【原注2】 次のような場合には、記録員が失策を記録するにあたって、野手がボールに触れたか否かを判断の基準とする必要はない。
平凡なゴロが野手に触れないでその股間を通り抜けたり、平凡なフライが野手に触れないで地上に落ちたようなときには、野手が普通の守備行為をすれば捕ることができたと記録員が判断すれば、その野手に失策を記録する。
たとえば、内野手の横をゴロが通過したとき、その内野手がその守備位置で普通の守備行為をすれば走者をアウトにできたと記録員が判断すれば、その内野手に失策を記録する。また、外野手が飛球を落としたとき、その外野手がその守備位置で普通の守備行為をすれば捕球できたと記録員が判断すれば、その外野手に失策を記録する。
送球が、低すぎるか、横にそれるか、高すぎたり、地面に当たったりして、アウトになるはずの走者を生かしたとき、その野手に失策を記録する。
【原注3】 頭脳的誤り、または判断の誤りは、失策と記録しない。ただし、特に規定された場合を除く。
投手が一塁ベースカバーに入らないで打者走者を生かした場合、投手に失策を記録しない。野手が間に合わない塁へ不正確な送球しても、失策を記録しない。
頭脳的誤りが実際のミスプレイにつながった場合には、その野手に失策を記録する。たとえば、野手が第3アウトと勘違いして、ボールをスタンドに投げ入れたりマウンドに転がしたりして、走者の進塁を許したような場合である。
野手が、他の野手のミスプレイの原因となったときは、失策を記録する。たとえば、他の野手のグラブにぶつかってボールを飛び出させた場合である。このような場合、捕球を妨げた野手に失策を記録したときには、妨げられた野手には失策を記録しない。
(2) 野手がファウル飛球を落として、打者の打撃の時間を延ばした場合は、その野手に失策を記録する。──その後打者が一塁を得たかどうかには関係しない。
【注】 野手が普通の守備行為でなら捕らえることができたと記録員が判断したときだけ、失策を記録する。
(3) 野手がゴロを捕るか、送球を受けて、一塁または打者走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために打者走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。
(4) フォースプレイにおいて、野手がゴロを捕るか、送球を受けて、塁または走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。
【注】 前記のフォースプレイによるアウトの場合だけに限らず、タッグアウトの場合でも、野手が走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために、走者を生かしたときには、その野手に失策を記録する。
(5) 送球がよければ走者をアウトにできたと記録員が判断したときに、野手が悪送球したために走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。
ただし、走者が盗塁を企てたとき、盗塁を防ごうとした野手が悪送球をしても、本項の失策は記録されない。
(6) 野手が、走者の盗塁を防ごうとして悪送球をした場合に、その走者または他の走者が、その送球とは関係なく進塁できたと思われる塁よりも余分に進塁したときには、その野手に失策を記録する。
(7) 野手の送球が、不自然なバウンドをしたり、各塁、投手板、走者、野手あるいは審判員に触れて変転したために、走者に進塁を許した場合には、このような送球をした野手に失策を記録する。
【原注】 この規則は、正確に送球した野手にとっては酷にすぎるように見えるが、きちんと適用しなければならない。たとえば、外野手が正確な送球をしたにもかかわらず、二塁ベースに当たってボールが外野に戻ったために走者に進塁を許した場合は、その外野手に失策を記録する。走者の進んだ各塁については、その原因を明らかにしなければならない。
【注】 夜間照明のライトまたは太陽の光線が、プレーヤーの目を射て、捕球が妨げられた場合にも、送球した野手に失策を記録する。
(8) 時機を得たしかも正確な送球を野手が止め損なうか、または止めようとしなかったために、走者の進塁を許した場合には、その野手に失策を記録し、送球した野手には失策を記録しない。もしそのボールが二塁に送られたときには、記録員は、二塁手または遊撃手のうちのどちらがその送球を止めるはずであったかを判断して、その野手に失策を記録する。
【原注】 野手が送球を止め損なうか、止めようとしなかったために、走者の進塁を許したが、その送球が時機を失したものと記録員が判断した場合には、このような送球をした野手に失策を記録する。
(b) 悪送球によって走者が進塁を許した場合は、走者の数および塁数には関係なく、常にただ1個の失策を記録する。
(c) 審判員が打者または走者に妨害もしくはオブストラクションで進塁を許したときには、このような妨害行為を行なった野手に失策を記録する。この場合、進塁を許された走者の数および塁数には関係なく、常にただ1個の失策を記録する。
【原注】 審判員がオブストラクションによって、打者または走者に与えた塁と、プレイによって打者または走者が進むことができたと思われる塁とが一致したと記録員が判断したときには、オブストラクションをした野手には失策を記録しない。
【注】 たとえば、打者が三塁打と思われる安打を放って一塁を経て二塁に進むとき、一塁手に走塁を妨げられ、審判員が打者に三塁を与えた場合などには、打者に三塁打を記録し、一塁手には失策を記録しない。
一塁走者が一塁二塁間でランダウンされたとき、二塁手がオブストラクションをしたために、審判員がその走者に二塁を与えた場合などには、その二塁手に失策を記録する。
(d) 次の場合には失策を記録しない。
(1) 走者が盗塁を企てたとき、投手の投球を受けた捕手が盗塁を防ごうとして悪送球しても、その捕手には失策を記録しない。ただし、盗塁を企てた走者がその悪送球を利して、さらに目的の塁以上に進むか、あるいはその悪送球に乗じて、他の走者が1個以上進塁したと記録員が判断した場合には、その捕手に失策を記録する。
(2) 野手が普通に守備して、しかも好球を送っても、走者をアウトにすることはできなかったと記録員が判断した場合には、野手が悪送球をしても、その野手には失策を記録しない。ただし、その悪送球によって、その走者または他のいずれかの走者が、送球がよくても進塁できたと思われる塁以上に進塁したときには、その野手に失策を記録する。
【注】 野手が難球に対して非常に好守備をしたが、体勢が崩れたために悪送球をした場合には、送球がよければ、打者または走者をアウトにできたかもしれないと思われるときでも、その野手には失策を記録しない。ただし、本項後段のような状態になったときには失策を記録する。
(3) 野手が、併殺または三重殺を企てた場合、その最後のアウトをとろうとした送球が悪送球となったときは、このような悪送球をした野手には失策を記録しない。ただし、その悪送球のために、いずれかの走者が余分な塁に進んだときには、このような悪送球をした野手に失策を記録する。
【原注】 併殺または三重殺のとき、最後のアウトに対する好送球を野手が落としたときには、その野手には失策を記録し、好送球をした野手には捕殺を与える。
(4) 野手が、ゴロをファンブルするか、インフライトの打球、送球を落とした後、ただちにボールを拾って、どの塁ででも走者を封殺した場合には、その野手には失策を記録しない。
【注1】 本項は、アウトが成立した場合だけでなく、塁に入った野手が送球を捕らえ損じて封殺し損ねた場合にも適用する。この際は、送球を捕らえ損じた野手に失策を記録する。
【注2】 送球を受けた野手が、塁または走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために走者を生かしたが、ただちに他の塁に送球して走者(打者走者含む)を封殺した場合にも本項を適用する。
(5) 暴投または捕逸は、失策と記録しない。
(e) 打者が四球または死球で一塁を許されるか、暴投または捕逸によって一塁に生きた場合には、投手または捕手には失策を記録しない。
【注】 第3ストライクを捕らえ損じた捕手が、ただちに投球を拾い直して一塁に送ったが、悪送球となって生かした場合、送球がよければアウトにできたと記録員が判断すれば、暴投または捕逸を記録しないで、捕手に失策を記録する。
ただし、捕手の悪送球とは関係なく、打者走者が一塁に生きたと記録員が判断すれば、捕手には失策を記録しないで、暴投または捕逸を記録する。もっとも、この悪送球によって打者走者が二塁以上に進むか、他の走者が送球がよくても進塁できたと思われる塁以上に進んだ場合には、暴投または捕逸を記録するとともに、悪送球をした捕手には失策を記録する。
(f) 走者が、捕逸、暴投またはボークによって進塁した場合には、投手または捕手には失策を記録しない
(1) 打者に対する四球目が暴投または捕逸となったために、打者または走者が進塁して、次のどれかに該当した場合には、四球とともに暴投または捕逸を記録する。
① 打者が一挙に二塁に進んだ場合。
② 走者が打者の四球によって進塁を許された塁以上に進んだ場合。
③ 打者の四球によって進塁を許されなかった走者が、次塁に進むか、あるいはそれ以上の塁に進んだ場合。
(2) 第3ストライクの投球を捕らえ損じた捕手が、ただちにボールを拾い直して一塁に送るか、または触球して打者走者をアウトにする間に、他の走者が進塁した場合には、その走者の進塁を暴投または捕逸による進塁とは記録しないで、野手選択による進塁と記録する。したがって、打者には三振を、各野手にはそのプレイに応じて刺殺、補殺を記録する。
【原注】 暴投、捕逸については9.13参照。
【注】 (2)項の場合、捕手が打者走者をアウトにする代わりに、他のいずれかの走者をアウトにしたときも同様に扱う。ただし、0アウトまたは1アウトで、一塁に走者がいたので、打者が規則によってアウトになったとき、走者が暴投または捕逸で進塁した場合には、走者には暴投または捕逸による進塁と記録し、打者には三振を記録する。

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