少年野球の塁審のやり方について調べたメモです。
お父さん審判がまず担当する役割が塁審です。
練習試合でもいきなり球審を任されることはまずありません。
まず塁審をある程度できるようになると、だいぶチームに貢献できますよ!
塁審について
子供が少年野球チームに入っていると、親たちも何かしら頼まれる仕事があるかと思います。
お父さんたちだったら練習試合(場合によっては公式戦も)の審判が多いんじゃないでしょうか。
球審(キャッチャーの後ろで「ストライク!」とか言う人)はいきなり頼まれないにしても、塁審は十分あり得ます。
塁審とはその名のとおり、1塁、2塁、3塁ベースの近くにいるサブっぽい審判のこと。
まぁ素人的に考えても球審よりはなんとかなりそうな気もしますが、実際やってみるとなかなか難しいのが現実です。
突然頼まれることがあるかと思うので、前もって予習しておいた方が安心です。
関連記事:子どもの前でカッコよくジャッジするための審判マニュアルまとめ
塁審の立ち位置は?
いきなりですが地味にわからないのが塁審の立ち位置。(笑)
なんとなくベースの後ろくらいに立っていたような気がすると思いますが、目安としてはこのようになっているようです。
- 1塁審、3塁審⇒ベースから約4mくらい後方、ラインの外側
- 2塁審⇒1塁と2塁のベースを結んだ延長線上、約10m後方
最初はこの位置に立つみたいですね。
とりあえずこの場所に走りましょう!(笑)
ただ調べていくと、2塁審は2塁と3塁をのベースを結んだ延長線上に立つこともあるみたいですね。
書籍なんかではこちらの方が主流と書いてあったりしますが、ウチの地域では1、2塁の延長線上でやってます。
どちらかわからない場合には、先輩お父さんに聞いてみましょう!
■2塁審の立ち位置は変わる
塁審は上記の立ち位置が基本となりますが、2塁審は状況に応じてダイヤモンド内に移動します。
なぜかというと、二塁上で走者の触塁確認やタッチプレイでのセーフorアウトをジャッジしなければならないから。
実際に2塁審を担当すると、この立ち位置に移動するケースはけっこう多いです。
というのも、走者なし、もしくは走者3塁以外は全てこの立ち位置になるからです。
目安としては、三塁側コーチャーズボックスの向かって左端の延長線上くらいでしょうか。
僕なんかは相手チームのコーチに「二塁審の人ーもう少しこっちだよー。」と教えてもらったこともありました。(笑)
■1塁審、3塁審も微妙に変わる
2塁審ほど大きくは変わりませんが、1塁審と3塁審も状況に応じて移動します。
それは自分が担当している塁に走者がいる場合です。
牽制などでジャッジする機会が多くなるため、通常よりもやや塁に近づきます。
僕はかなり前に移動するように教えてもらいましたね。
通常の位置よりも1mほど塁に近づきます。
塁審の仕事は?
そして塁審の仕事とは?という部分。
- 塁上でのアウトorセーフのジャッジ
- 打球のフェアorファウルのジャッジ
- 外野手の捕球の確認
この辺りが主な仕事になりそうです。
その中でも塁上でのアウトorセーフのジャッジが一番大きな仕事になるかと思います。
突然呼ばれて「アウトかセーフか判断して。これだけやってくれればいいから。」と、だいぶ大雑把な感じで頼まれることも多いそうです。(汗)
逆にいえばここを押さえておけば何となく役に立つことはできるはず!
コールとジェスチャーについて
そしてジャッジした内容をコールとジェスチャーで示さなければなりません。
- アウト(ヒズアウト):右手を握って顔の横位まで上げる
- キャッチ:ライナーやフライ捕球時、ジェスチャーはアウトと同様
- ファウル:手のひらを広げて腕を上げてYの字をつくる
- フェア※コール無し:フェアゾーン側の腕の人差し指でフィールドを指し示す
よく使うのはこのくらいでしょうか。
ちなみにアウトに関してはヒズアウト!と言うのが正しいそうです。
繰り返しになりますが、アウトorセーフのジャッジはもっとも多い動作になります。
しっかりと覚えておきたいですね。
参考動画:【野球審判かんたん講座】塁審のメカニクス編 by NPB and SSK
その他については後述します。
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塁上でのジャッジは、一番多くやらなければならない事でありながら、適格な判断を要求される仕事です。
ここはちゃんとおさえておきたいですね。
見やすい位置でジャッジする
塁審の立ち位置は先ほどご紹介しましたが、より的確にジャッジするためには状況に応じて移動することが大事だそうです。
基本の動きとしては、ボールを投げる野手と捕球する野手を結んで90度くらいの位置に立つこと。
例えば、1塁審の場合だったらこんな感じです。
僕の場合は最初に1塁審をやった時に、わけわからず動かないで普通に一塁手の後ろにいたら、捕球のタイミングもランナーの触塁も全然見えませんでした。(笑)
この位置はかなり重要ですよ。。
ここに立っただけでジャッジがかなりわかりやすかったですから。
また、距離感としてはベースから5mほど離れた位置がいいそうです。
近すぎると野手と走者を含めた全体像が把握しにくく、遠すぎるとタッチプレイなど細かい動作が確認しづらくなります。
初心者のころは「しっかり見なきゃ!」と思うあまり近寄りすぎる傾向がありますので注意が必要です。
参考動画:【野球審判かんたん講座】一塁審フォースプレイの見方編 by NPB and SSK
ジャッジのポイント
- 送球と走者のベースへの接触はどちらが早かったか?
- 野手と走者はちゃんとベースを踏んでいるか?
これ書くと簡単に見えますけど、やってみると結構難しいです。
なんでって、ベースへの接触の確認と走者が踏んだタイミング(下見てる)+捕球のタイミング(上見てる)を同時に目視できないから。
どうすりゃいいのよ?って思ったら、捕球のタイミングは「バンっ!」というボールがグローブに入った音も参考にするんだとか。
いやいや(汗)、これある意味、神業じゃないっすか?!
ここら辺はさすがに慣れていくしかないかもしれませんね。
あと、前途のとおり見やすい位置に移動するのも大切なんだと思います。
ちなみにルールブック的に言うと、”走者が一塁を踏む前にボールを捕球したらアウト”となっているそうなので、タイミングが同時だった場合はセーフと判断していいようです。
焦りは禁物!
よくプロ野球の試合できわどいプレーのときに、ちょっと溜めてから「・・・アウト!」とか言うことがありますよね。
あれは演出でもなんでもなく、的確なジャッジをするために一呼吸おいてからコールするからなんですって。
なにも焦ってジャッジする必要はないんですね。
一呼吸おいてから落ち着いてジャッジした方が説得力もありそうです。
そうか、これは覚えておこう。
関連記事:子どもの前でカッコよくジャッジするための審判マニュアルまとめ
その他の仕事
とりあえず塁上でのジャッジは確認できましたでしょうか。
でもこれでは終われません。。
「これだけやってくれればいいよ!」とは言われても、当然他の仕事はまだまだたくさんあります。(汗)
ファウルとフェアのジャッジ
ラインより外側がファウル。
ラインの内側、ライン上、および外野ポールにあたった場合はフェアです。
ジェスチャーとコールは前途のとおり。
- ファウル:手のひらを広げて腕を上げてYの字をつくる
- フェア※コール無し:フェアゾーン側の腕の人差し指でフィールドを指し示す
ラインをまたいだ状態でジャッジするのが正しい方法だそうです。
そうなんですねぇ。
外野手の捕球確認
外野に飛球したときは塁審も走って追いかけるそうです。
それは捕球のタイミングをいい位置で確認するため。
いやはや、なかなか大変です。(汗)
そして野手が捕球動作に入ったら足を止めて確認の姿勢をとります。
この時に中継のライン上には入らないようにするなど、全体の状況を見た動きが必要になります。
そして、野手がノーバウンドでフライを捕球したらアウトのジェスチャーで「キャッチ!」、そうでなければセーフのジェスチャーで「ノーキャッチ!」をコールします。
さらに、大飛球が柵越えしたら手をグルグルと回してホームラン判定を。
バウンドしながら柵を超えたらタイムをかけてエンタイトルツーベースとします。
■2塁審がダイヤモンドの”外”にいる場合
2塁審がダイヤモンドの外にいる場合には、このエリアがそれぞれの責任範囲となります。
ファウルライン付近の打球以外は、ほとんどのエリアが2塁審が追いかけるんですね。
微妙な打球の時には、目くばせなどで「こっちが追いかけるよ!」と他の塁審とコンタクトをとるとスムーズな動きができるようです。
■2塁審がダイヤモンド”内”にいる場合
2塁審がダイヤモンド内にいる場合にはこんな感じ。
2塁審は走者なしと走者3塁以外はすべてダイヤモンド内にいるので、このパターンはけっこう多いですね。
■誰かが外野へ走ったら?
ちなみに1塁審、もしくは3塁審が外野へ走った場合には、2塁審が2塁と空いた塁の2か所をチェック(主に走者の触塁)することになります。
この審判同士のフォーメーションはかなり重要です。
特に1人が外野へ追っていった場合には、4つのベースを3人でジャッジする必要が出てくるからです。
これは慣れるまで難しいですね。。
しっかりと予習しておいたうえで、実戦で経験を積んでいかなければなりません。
■外野へ追わないケースもある
ここまで見ると、外野へ飛んだ打球は必ず誰かが追いかけるように思いますが、必ずしもそうではないようです。
前途のとおり、そもそも外野へ飛んだボールを追うのはこのような意味があります。
- 外野フライの捕球確認
- ボールデッドの確認
まず外野手の捕球確認ですが、ノーバウンドでキャッチしたか、そうでないか、またはキャッチしたボールを落球してないか、など細かな確認が必要になります。
特にライナーっぽい打球はノーバンか、ワンバンかは微妙なプレイもありますからね。
また、球場ではなくグラウンドで試合を行う時には、外野フェンスの代わりにネットが張り巡らされていたりします。
よくあるケースとしてそのネットの下を打球がすり抜けてしまったり、挟まってしまったりするんですよね。
この場合にはボールデッドとなるため、状況を確認した塁審がタイムをかけなければなりません。
主なものとして、このようなジャッジを行うために外野へ追うわけです。
逆にいえばそのようなケースが起こらない場合には、外野へ追っていく必要はないんですよね。
フライだから追う、ゴロだから追わない、といった意味合いではありません。
”基本は追う”というのは前提として、この辺りの取り決めは試合が始まる前に打ち合わせしておくべきですね。
関連記事:子どもの前でカッコよくジャッジするための審判マニュアルまとめ
ハーフスウィングのジャッジ
スイングの判断は基本的に球審が行いますが、ハーフスイングの場合はそのジャッジを塁審にゆだねられることがあります。
スイングと判断したときは、ストライクと同じジェスチャーで「スイング!(もしくは「イエス!」)」とコール。
振っていないと判断したら、セーフと同じジェスチャーで「ノー!」とコールします。
またハーフスイングについての規定は明記されていないようなので、試合前に審判同士で基準を統一しておくことが大切だそうです。
走塁妨害と守備妨害のチェック
なかなか大変になってきましたね。(汗)
続いては走塁妨害と守備妨害のチェックについて。
■走塁妨害
直接プレイに関係していない選手(例えば、ボールを持っていなかったり、ボールを捕ろうとしていなかったり)が走者の走塁を妨げる行為に対してはペナルティがあります。
そのようなことが発生した場合には、妨害がなかったとしたら進めたと判断する塁まで進塁させます。
これはプレイと関係ない場所で起こった場合でも適用されて、ひとつの流れが終わった後で同じように進塁を指示するそうです。
■守備妨害
打球を捕ろうとしているときは野手が優先されるとのことなので、例え故意じゃなくても走者が野手の妨げとなるような行為をしたら守備妨害にあたります。
また、走者がダブルプレーを防ぐためにわざとぶつかりに行ったり、腕を広げて送球をジャマしたり、キャッチャーが盗塁を刺そうとするのを妨害するときするのも守備妨害に含まれるとのこと。(当然か。。)
バッターの守備妨害はアウト、走者の場合は塁を戻されます。
この辺りはケースバイケースになることが多そうなので、なかなかマニュアルを読んだだけでは正しいジャッジは難しそうです。
経験が必用ですね。
走塁妨害と守備妨害、さらには打撃妨害と、インターフェア&オブストラクションに関することは別ページにまとめてみました。
関連記事:インターフェア(打撃・守備妨害)とオブストラクション(走塁妨害)
ボークのチェック
すでにしんどくなってきました。(苦笑)
ボークについてもチェックしておかなければならないそうです。
というのも球審だけじゃなく、どの審判がコールしてもボークは適用されるから。
特に少年野球だと意識が定着していないピッチャーも多いのとの事で、ボークをコールすることも多いんだとか。
特に低学年の試合なんかでは、けん制がらみ(セットポジションから静止せずに投げたり、誰もいない塁にけん制したり)でボークが起きやすいので注意が必要ですね。
ボークに関することは別ページにまとめてみました。
ただ.....ボークだと思っても最初のうちはコールする勇気なんかないですよね。(汗)
触塁の確認
塁審は各塁を任されているのですから、細かいところまでチェックしておかなければなりません。
意外と(?)重要なのが、走者がしっかりとベースを踏んだかを見ておく触塁の確認です。
特に少年野球では夢中で走っていると走者がベースを踏み忘れることが多いです。
自分の動きや打球の行方ばかり気にしていると、触塁の確認を怠ってしまうこともありますよね。
でも、しっかりと見ておかないと子供がアピールしてきたときに対応できません。
(触塁を見てなくてアピール時に目が点になっているお父さん審判はよく見かけます。笑)
ベースの踏み忘れはアピールプレイとなるので、塁審が確認していてもその時点でアウトにすることはありません。
あくまで野手がアピールしてきた際に、触塁があったか、なかったかをジャッジします。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:「走者がベース踏み忘れた!」審判がアウトにできないアピールプレイのルールとは?
その他
細かいことをいえばまだまだ仕事があります。
- タイムの要求を聞く
- アピールプレイへ対応する
- タッチアップ時の離塁のチェック
- 隠し玉に気づいてチェックする
などでしょうか。
うーん、やっぱり簡単な役割じゃないですね。(苦笑)
審判はいろんな細かいルールを覚えておかなければなりません。
僕も実際やってみて思いましたが、「あれっ、こういうときどうなるんだっけ?(汗)」なんてことはたくさんありますし、それを瞬時に判断するのはメチャクチャ難しいです。。
ルールについては予習が必須だと思われます。(自分自身に言い聞かせている。笑)
各塁審の特徴
ここまで読んでくれた方は塁審といえど、なかなか難しい仕事ということがわかったと思います。
一般的にはこのような順番で難易度が上がっていくといわれています。
3塁審<1塁審<2塁審
それぞれの特徴を見てみましょう。
参考動画:【野球審判かんたん講座】各塁審の特徴的な判定編 by NPB and SSK
3塁審
ジャッジの回数が他の塁に比べてすくないため、比較的やりやすいと言われています。
少年野球....特に低学年の試合ともなると、展開によっては一度もコールしないまま終わってしまうこともありました。(笑)
ただ、3塁までランナーが進んだ時には得点に絡むプレーが多くなると思いますので、そういう意味でのプレッシャーはあるかもしれませんね。
2塁審は責任エリアが広く、レフト~ライトにボールが飛んだ時も対応しなければならないので、そのようなときは3塁審が2塁のカバーに入ります。
また、タッチアップの確認などもありますので、打球の行方ばかりに気を取られていると大事な局面で見落としがあるかもしれません。
1塁審
ジャッジする回数は圧倒的に多いですが、アウトorセーフのジャッジが主になるため動きがシンプルなのがわかりやすい。(といわれてるみたい。)
この辺りが冒頭の「アウトorセーフだけやってくれればいいから!」につながるのでしょうか。
ただ状況によっては、他塁のカバーに行った球審の代わりにホームベース付近へ移動しなければならなかったりするので、やはり状況に応じて動ける体勢をとっておかなければなりません。
個人的には、やはりジャッジの機会が多いのが確かなので、常に緊張感を感じてしまいます。(笑)
気が抜けないです。。
2塁審
2塁審は一番難しいと言われています。
その理由としてまずは責任範囲が広いということがあるようです。
外野はレフトの定位置~センター~ライトの定位置まで。
ほぼ全部ですね。(汗)
内野はショートより2塁ベース側~セカンドより2塁ベース側まで。
打球の行方によってあちこちに移動しなければならないですし、その判断も難しそうです。
少年野球では2盗を狙うことが多いので、その際のタッチプレイも確認しなければならないですしね。
そしてランナーの位置によってダイヤモンド内に入ったり、また出たりなど他の塁審に比べて慌ただしい部分もあります。
難しいといわれる2塁審については別ページでまとめてみましたので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事:二塁審のやり方|立ち位置やジェスチャーなど基本動作まとめ
ただ、個人的には二塁審は好きです。
まとめ
結論からすると、「やっぱり難しいじゃん!」って感じですね。。
僕ははじめて塁審をやったときは1塁審でしたが、まぁ大変でしたよ。(汗)
その時は説明もなかったですし、正直他の塁審の方をチラチラみて真似することで何とか乗り切りました。
ミスジャッジらしきものもあって子供たちがざわついたことも・・・。
それから自発的に審判の勉強をするようになりました。(笑)
関連記事:子どもの前でカッコよくジャッジするための審判マニュアルまとめ
気後れしないで、練習試合なんかは率先してやった方がいいような気がします。
慣れてくれば「子供と一緒に野球やってる感」も出てきて楽しそうですしね。
とりあえず1塁審か3塁審にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。